健康への不安を感じる中、最近注目を集めているのが「遺伝子検査」です。
特に、がんリスクを事前に知ることができる遺伝子検査は、予防医療の分野で期待されています。
しかし、費用が高そうというイメージから「実際に受けるのは難しいのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。
本記事は、遺伝子検査の費用相場や検査内容、その実態について詳しく解説します。
遺伝子検査で分かる「がんリスク」とは?
遺伝子検査とは、DNAに含まれる遺伝情報を解析することで、特定の疾患のリスクや体質を知ることができる検査です。
がんリスクに特化した遺伝子検査では、以下のような情報が得られます。
がんリスクを特定する仕組み
遺伝子の中には、がんの発症に関与すると考えられる変異が存在します。
例えば、乳がんや卵巣がんと関連の深い「BRCA1」「BRCA2」遺伝子の変異を調べることで、発症リスクが高いかどうかを判定できます。
この情報は、予防的な治療や生活改善の指針になります。
検査で分かるがんの種類
遺伝子検査で判別できる主ながんの種類には以下があります。
- 乳がん・卵巣がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 前立腺がん
- 膵臓がん
がんリスクを調べる遺伝子検査の費用相場
遺伝子検査の費用は、検査の種類や目的によって異なります。
また、保険適用の有無も重要なポイントです。
自費診療の場合の費用
一般的な遺伝子検査は自費診療で行われるため、費用は5万円〜30万円程度とされています。
特に、がんに特化した検査は高度な解析技術を必要とするため、費用が高額になる傾向があります。
保険適用の場合の費用
一部のがん遺伝子検査は、条件を満たすことで健康保険が適用されます。
例えば、BRCA遺伝子検査は、乳がんや卵巣がんと診断された人で特定の基準を満たす場合に適用されます。
保険適用時の自己負担額は1〜3万円程度となります。
がん診断の遺伝子検査を受けるメリットとデメリット
メリット
- 早期予防の指針が得られる
自分がどのがんのリスクが高いかを知ることで、定期的な検診や予防的な生活改善が可能です。 - 家族へのアドバイスができる
遺伝子変異は家族に共通することが多いため、検査結果を家族と共有することで予防に役立てることができます。 - 医療方針の決定に役立つ
リスクの高いがんが特定されれば、治療方針や経過観察の計画を医師と相談する際の参考になります。
デメリット
- 費用が高額
特に自費診療での検査は高額で、経済的負担が大きい場合があります。 - 結果への不安感
リスクが高いと判定された場合、不安を感じることがあります。検査後の心理的サポートも重要です。 - 保険適用が限定的
現時点では、すべての遺伝子検査が保険適用されるわけではありません。そのため、条件を確認する必要があります。
どこで遺伝子検査を受けられる?
遺伝子検査は、医療機関や専門検査会社で受けることができます。
近年では、郵送型のキットを利用して自宅で採取し、結果をオンラインで確認できるサービスも増えています。
主な検査機関の例
- 医療機関(病院・クリニック)
医師の指示のもとで検査を受けられるため、結果について詳しく相談できます。 - 遺伝子検査サービス提供会社
自費での検査を提供する専門会社では、がんリスクだけでなく他の疾患リスクも包括的に調べることが可能です。 - 郵送型遺伝子検査キット
価格が比較的安価(数万円程度)で、手軽に検査が可能。ただし、精度や結果の詳細度には限界があります。
遺伝子検査を受けるべき人は?
がんリスクの遺伝子検査は、以下のような方に特に推奨されます。
- 家族にがんの既往歴がある人
- 特定のがんのリスクが高いと医師に診断された人
- 健康維持や予防医療に積極的に取り組みたい人
保険適用を希望する場合、医療機関で検査を受ける必要があるので、(1)と(2)に該当していることが前提条件です。
自己判断が難しいようなら、遺伝子検査医療のカウンセリングを受けることをおすすめします。
お住まいの地域にある大きな病院なら、「遺伝カウンセリング」を担当している専門の診療科があるので、ウェブ検索で調べてみてください。
例えば鳥取県なら、鳥取大学医学部附属病院に存在します。
まとめ:遺伝子検査は治療じゃありません
遺伝子検査でがんリスクを知ることは、早期予防や適切な医療を受けるための有力な手段です。
ただし、費用面や検査後のサポートについて慎重に検討する必要があります。
- 遺伝子検査はがんリスクを予測する画期的なツール。
- 費用は5〜30万円程度が目安だが、保険適用の場合もあり。
- メリットだけでなく、不安感などのデメリットも理解することが重要。
- 医療機関や専門サービスを利用して適切な検査を受ける。
がんリスクは遺伝も関係しているとされ、がん検査で家族歴を確認するのもそのためです。
とはいえ、必ずしも遺伝するとは限りませんし、病気リスクは悪い生活習慣が起因になるほうが多いとされています。
遺伝子検査でわかる「がんリスク」は、あくまで予防医療です。
たとえリスク有と判定されても、必ず発症するとも限らないので、遺伝子検査はひとつの不安を取り除くツールだと思ってください。
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